BWF世界ランキング システムの解説 バドミントン
〇概要
BWF世界ランキングとは、世界バドミントン連盟(BWF:Badminton World Federation)が毎週発表している世界ランキングです。ほとんどの国際大会が火曜日から日曜日に開催され、その結果が反映され翌週の水曜日にランキングが発表されます。
例えば2019/8/6(火)~2019/8/11(日)に開催された大会結果が、2019/8/14(水)に反映されて、その週の世界ランキングが発表されます。
BWF世界ランキングには5種目あり、男子シングルス(MS), 女子シングルス(WS), 男子ダブルス(MD), 女子ダブルス(WD), 混合ダブルス(XD)のそれぞれで世界ランキングが発表されます。
ランキングに影響を与えるポイントは、各大会のレベルの分類毎に決まっていて、その大会での選手の成績に従って与えられます。ポイントの有効期限は52週で、過去52週内に参加した大会のポイントのうち高い順番で10大会分の合計で算出されます。

世界ランキング1位の桃田選手の世界ランキングポイントで説明します。
桃田選手はこの52週中18週大会に出場しています。そのうち★の付いた10個が世界ランキングに採用されている、大会ということです。
★の付いた大会のポイントを加算すると、現在の世界ランキングポイントである108318になることがわかります。
〇個人戦の世界ランキングポイント一覧
Grade別の大会で得られるポイントの一覧です。格の高い大会ほどポイントが高く、また当然ですが、勝ち上がれば勝ち上がるほどポイントが高くなります。
大会 | 優勝 | 準優勝 | 3-4 | 5-8 | 9-16 | 17-32 | 33-64 | 65-128 |
Grade 1 BWFトーナメント | ||||||||
世界選手権 五輪*1 |
13000 | 11000 | 9200 | 7200 | 5200 | 3200 | 1300 | 650 |
Grade 2 BWFワールドツアー | ||||||||
Level1(Final) Level2(Super1000) |
12000 | 10200 | 8400 | 6600 | 4800 | 3000 | 1200 | 600 |
Level3(Super750) | 11000 | 9350 | 7700 | 6050 | 4320 | 2660 | 1060 | 520 |
Level4(Super500) | 9200 | 7800 | 6420 | 5040 | 3600 | 2200 | 880 | 430 |
Level5(Super300) | 7000 | 5950 | 4900 | 3850 | 2750 | 1670 | 660 | 320 |
Level6(Super100) | 5500 | 4680 | 3850 | 3030 | 2110 | 1290 | 510 | 240 |
*1:五輪は3位が11000ポイント、4位が9200ポイント。
〇団体戦の世界ランキングポイント計算方法
毎年、Sudirman Cup(スディルマン杯)またはThomas Cup(トマス杯)とUber Cup(ユーバー杯)のいずれかが開催されますが、Team Event(団体戦)はランキングポイントの付け方も特殊でかなりややこしいです。団体戦は過去52週で最も高いポイントの1大会のみ世界ランキングに反映されます。
1・基礎ポイント
団体戦に出場することでもらえるポイントです。【現在の世界ランキングポイント/ポイントが採用されている大会数】で計算されます。
例えば2019年5月のスディルマン杯に出場した桃田選手で説明をすると、その時点で桃田選手の世界ランキングポイントは108800ポイントでした。その時点で18大会出場していて、上位10大会分が採用されているので、108800/10=10880が基礎ポイントです。
つまり桃田選手のような世界ランキング1位の選手たちは出場するだけで約10000ポイントがもらえます。もし3大会しか出場しておらず、ポイントが30000だった場合は30000/3=10000が基礎ポイントになります。
2・勝利ポイント(基礎ポイントに加算)
団体戦の中で複数試合勝利した場合、その中で最も世界ランキングの高い選手のポイント/100のポイントが基礎ポイントに加算されます。
例えば2019年5月のスディルマン杯で桃田選手が勝利した中で最も世界ランキングが高かったのはAnthony Sinisuka Ginting選手でした。この時のGinting選手のポイントが63780であったため、63780/100≒638(四捨五入)ポイントが加算されます。
もし1勝もできなかった場合は1ポイント、勝利した相手がポイントを全く保有していなかった場合も1ポイントとして計算されます。
ここまで計算できると10880(基礎ポイント)+638(勝利ポイント)=11518ポイントとなり、下記のポイントと一致することがわかります。

この計算方式だと、団体戦に臨んだ時の自身のポイントがほとんどを占め、誰に勝ったかがあまり重要ではないため(桃田選手の場合、もし1勝もできなかったとしても10880ポイントという非常に大きなポイントがもらえる)、これでいいのか些か疑問ではありますが、現行のルールはこのようになっています。
そしてこのポイントの多さを元に世界ランキングが付けられ、そのランキングを元に各世界大会や五輪の出場権・シード権などが決定されます!
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